ホーランエンヤとは

お祭り

ホーランエンヤは、城山稲荷神社の御神霊を阿太加夜神社まで船でお運びする渡御祭、阿太加夜神社における7日間の大祈祷とその中日の中日祭、阿太加夜神社に安置された御神霊を再び城山稲荷神社に船でお送りする還御祭で構成される。

お祭り

渡御祭(とぎょさい) 2019年5月18日(土)

祭の幕開け。

 城山稲荷神社での祭典後、御神霊を厳かな陸行列で大橋川河畔へお運びする。

 御神霊を神輿船にお移しし、静寂のなか清目船による御祓がすむと、煙火を合図に絢爛豪華な櫂伝馬一大船行列がスタートする。

 護岸に溢れる人々とともに、豊かで幸多き年であるようにと願いながら勇壮かつ華麗な櫂伝馬踊りを奉納し、約100隻、約1kmにも及ぶ大船団は約10km離れた隣町の阿太加夜神社まで向かう。

 櫂伝馬の一行が、行く手を阻むすべての厄災から御神霊を守り、無事送り届けることで、阿太加夜神社における7日間にわたる大祈祷は緒に就く。

渡御祭

中日祭(ちゅうにちさい) 2019年5月22日(水)

 7日間の大祈祷の中日に、阿太加夜神社の氏子は櫂伝馬を招き入れる。

 櫂伝馬船による櫂伝馬踊りを披露した後櫂伝馬は氏子が用意した陸船に乗り換え、出雲郷橋から参道を進み、阿太加夜神社へと向かう。

 色とりどりに装飾された5隻の陸船を、ホーランエンヤの掛け声とともに櫂掻きたちが力強く曳き、船上では役者達が櫂伝馬船の船上のそれと同じように勇壮かつ華麗に踊り上げ、道中の観衆を魅了する。

 境内にたどり着くと、五大地がそれぞれ順番に櫂伝馬踊りを奉納し、安置された御神霊をお慰めする。

中日祭

還御祭(かんぎょさい) 2019年5月26日(日)

 7日間の大祈祷を終え、阿太加夜神社に安置されていた御神霊が、初日の渡御祭とは逆の経路をたどって、もとの城山稲荷神社にお還りになる。

 「お稲荷様のお帰りだ」と、五大地の人々は再び櫂伝馬船を繰り出し、絢爛豪華な船行列でお供をする。

 やがて松江に入ると、9日間の大祭の最後を一目見ようと詰めかけた観衆の前で、全船団威勢よく一糸乱れぬ櫂伝馬踊りを披露する。 そして、陸路城山稲荷神社境内を目指し、厳かに祭礼をすませ、櫂伝馬は全身全霊最後の力を振り絞り、櫂伝馬踊りを奉納し、最高潮のなか10年ぶりの盛儀は幕を閉じるのである。

還御祭

櫂伝馬船(かいでんません)

起源

 最初の神幸祭から160年後の文化5年(1808)の御神幸の折、風雨が激しくなり神輿船が危険な状態になったのを、馬潟村の漁師が救い阿太加夜神社まで無事送り届けた。以来、馬潟村の櫂伝馬船が神輿船のお供を務めるようになり、順次矢田、大井、福富、大海崎の櫂伝馬船も参加するようになった(五大地と呼ばれる)。やがて櫂伝馬船の上で櫂伝馬踊りが披露されるようになり、色とりどりの装飾とにぎやかな唄も加わり、護岸には埋め尽くされんばかりの観客を集めるようになった。

 「ホーランエンヤ」の由来は、櫂伝馬船の船上で唄われる櫂かきの掛け合いの音頭といわれている。古くは、音頭取りの「ホーラ」の掛け声に、櫂かきが「エンヤ」と声を合わせて櫂を漕いだ。この二つの詞が一つとなり「ホーランエンヤ」となったとも言われ「豊来栄弥」「宝来遠弥」とも書かれる。